『アイアンクラッド』における「神の騎士」としての矛盾

 

ジョナサン・イングリッシュ監督『アイアンクラッド』(Ironclad, 2011)

Ironclad (2011) Trailer HD | Paul Giamatti | Jason Flemyng

13世紀のイングランドの雰囲気を描く映像作品を、と思い期待せず視聴したが、これは良かった。

前半から残酷戦闘シーンのオンパレード。

血が出るわ、色々ちょん切れるわで、閲覧注意ですね。

こういう系かと思っていたら、中世の戦闘で使われる投石器や攻城シーンがリアルで本格的。

中盤~後半の仲間を少しずつ失っていき、籠城で絶体絶命感が出ていくスリル感は、そういう系が好きな人にとってはたまらないかも。

とはいえ、この作品のポイントは、聖騎士とされるテンプル騎士団の矛盾を描いていること。

神の騎士として整地奪還、弱者保護をすべきであるとはいえ、人を殺さないといけない。

自分に好意を持つキレイな女性へその愛を答えられれない。

そんななか、神への誓いを唯一の道しるべに言動するトマス。

目の前で仲間を失っていく救いのない虚無感。

冷徹なジョン王の公開拷問(処刑)に憤怒を抑えつつ、静観する。

 

13世紀のイングランドの「暗さ」をよく描いているとも言えます。

 

久しぶりにブログ書いた。

ちょっと今年は発表・論文がけっこう忙しい(ありがたいことではあるが)…

コメント