消防士は現代の英雄。
死を顧みず勇気をもって燃え盛る建物に入り、人を助け出す。
中世の騎士道にも通じる。
9.11でトラウマとなったアメリカ社会にとって必要不可欠な存在でもある。
これを描くのが、
ジェイ・ラッセル監督『炎のメモリアル』(Ladder 49、2004年、アメリカ)
ゼミ生が卒論で消防映画を扱う予定なのもあり、アメリカ騎士道の発展形としての研究も含め、見て、これも良かった。
- ボルティモア市の消防の日常
- 危険と隣り合わせの消防士とその家族
- 教会と消防
新人消防士の入団の様子や、その仲間との交流、成長、結婚、子育てとの両立、葛藤、あえて日常を描くことで、火災現場の過酷さと家庭の対比が強く出ている。
ボルティモア市の消防の日常
- 新人消防士の入団の様子
- その仲間との交流
- 成長、結婚、子育てとの両立、葛藤
こういった日常をあえて描くことで、火災現場の過酷さと家庭の対比が強く出ている。
消防士がスーパーヒーローでも超人的な存在でもない、普通の人であることを再確認できる。
ということを書いていてふと思い出した曲
The Chainsmokers & Coldplay – Something Just Like This (2017年)
こちらにまさに、神話やアメコミに出てくるスーパーヒーローに見いだせない自分に対して
「そんなのをもとめているんじゃない、近くにいてくれる人を求めてる」
と歌い、イギリスのビッグバンドの曲とはいえ、20億回を超える再生回数を記録する世界での大人気曲。
世界が求めているのはまさに普通の人なのだ。
ベルが鳴ったら瞬時に出動し、迅速な判断で消火・救出活動に出る様子は、当事者や家族にとって理解されやすい様子なのだろう。
危険と隣り合わせの消防士とその家族
冒頭はジャックの救出活動とそのトラブルを描き、過去の回想シーンが織り交ぜられて物語が進んでいく。
順風満帆な消防士生活と思いきや、仲間の喪失、ケガ、妻こどもと仕事のバランスで葛藤する様子も描かれてる。
元々中世騎士道物語でも理想像を追い求める騎士にも、そんな理想には慣れず、人間的な悩みがあることが魅力の一つでもあった。
Marshmello – Here With Me Feat. CHVRCHES(2019年)
こちらにも使われた消防士の家族。文化的なアイコンとして利用されることも多い。
俳優陣
『ジョーカー』で一世風靡したホアキン・フェニックス
アメリカマッチョ映画の定番ジョン・トラボルタ
『ターミネーター2』のt-1000役で子供のトラウマとなったロバート・パトリック(Robert Hammond Patrick Jr.)
など有名どころも出演。
その他気になるところ
祭りや葬儀にスコットランド風の人たちがいた。
これはボルティモアの街の特徴なのか、映画の意向なのか、調べてみたい
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