はじめに:TOEICにお金はかけるな
私は今までTOEICを4回受験したことがあります。
具体的な時期やスコア、その印象に関しては
こちらをご覧ください。
ざっくり1回6000円として、×4回、つまり受験料として計24000円程です。
あとは模試のテキスト1~2冊購入したのを覚えています。今までの人生で
30000円
TOEICに出費したことになります。
今考えると、私の人生のTOEIC受験3回は、意味ありませんでした。
20,000円弱は無駄でした。
自己投資とはいえ、資格試験自体にこんなにお金をかけてはいけません。
TOEIC指導者や英語教員ではない限り、かけていいのは最低でも
1万円弱です。これ以上払っている場合、払い過ぎです。
模試のテキスト代も工夫によって省くことができます。
実際に私がやった費用を抑える方法についてはぜひこちらをご覧ください。
TOEIC指導者や、図書館で英語関連に力を入れようとするスタッフの方にもぜひみてもらいたいです。
受験料も環境によっては安くできる場合があります。
この記事でそれについて説明します。
TOEICとは?
まず、TOEICの基本を知識として入れていくことで知識武装しましょう。
「合否」でなくスコア
良い点でもあり悪い点でもあります。
英語学習をしているとどうしても
- 達成度が不明
- 成長したかどうか不安
という悩みが出てきます。従って
モチベーション維持
がキーポイントとなります。
そこで合否でなくスコアで自分の英語力がわかるTOEICが便利なのです。
では何点取ればよい?
「600取れなかったら不合格」の認識
受験をすることで、もちろん経験や緊張感は得られます。ただ、
- 問題持ち帰れない
- フィードバックない
- 解説ない
以上はもちろんなのですが、目標スコア取れないのであれば、TOEICにお金だけあげてるイメージです。
お金がかかってるので、「自己投資失敗」と猛省する必要があります。
模試である程度わかるので、申込前から計画的に勉強する方が良いのです。
英語系インフルエンサーの応援の言葉に騙されず、お金をかけるべきところをもう一度考えましょう。
ではなぜ人はTOEICにお金をかけるのか
TOEIC試験問題は、日常やビジネスの場で使える実践的なものばかりです。
情報も時代のニーズに合わせて洗練されています。
もちろん受けるだけの価値は有る試験です。
さらにこんな理由もあるでしょう。
英語には夢がある(カネになる)
- 英会話ができたらカッコいい
- 留学に憧れる
- TOEICスコアアップで昇進
- 海外赴任に抜擢
英語を勉強する意識高い人にとって、以上の理由は何かしら引っかかることがあると思います。(私もそうでした)
特に英語ペラペラのイメージは商売になりやすいし、マーケットが大きいです。
ということはそれを目指すために頑張る人は何かしら自己投資するわけです。
問題:でも日本語と英語が違いすぎる件
しかしながら、日本語と英語は性質が全く異なるので、難しいです。
すぐには上達しないです。
ヨーロッパの人たち(フランス・ドイツ・スペインなど)は独特のアクセントはありますが、難なく英語を運用する人が多いです。
これは元々アルファベットを使う言語であったり、文法も似ているなど、類似点が多いからです。
日本人には難しいけど、追い求める価値のある言語英語。
自分でレベル上げするのが難しいとなると、スクールに行ったり、テキストを複数買う、など助けを求めるのです。
英語は大きなビジネスマーケットなのです。
それでも「コミュニケーション」主義は続く
文科省はまだ「コミュニケーション」を提唱しています。私が大学生だったころもそうでした。
結果はどうでしょう?
一部を除き、大学に入ってくる若者には、正しく発音ができない人が多くいます。ペラペラではないです。
これはその学生・若者の責任ではなく、教員や英語教育システムの責任です。
発音もできないのになぜ「コミュニケーション」を重視してしまったのか。
「コミュニケーション重視」自体は素晴らしいです。
異文化理解をし、相手を知るためには話すことは重要です。
しかし、その言語を理解するための基礎知識
- 発音
- 単語
- 文法
まずはこれを優先すべきではないでしょうか。
土台を作らず「応用しろ」と上から言われても学習者は困るだけです。
基礎知識は大切。いきなりペラペラは幻想
学校で教えるべきは基礎知識・文法なのです。
いきなり会話をしようとするから、聞き取れもせず、文法もおろそかになってしまい、文章も作れません。
発音ができないから聞き取れないし、コミュニケーションもできません。
いきなりネイティブとの会話?
挑戦するのは良いことです。
ただ、スポーツに置き換えると、練習もせずいきなり紅白戦に効果はあるでしょうか?
三振するだけですよね?
まぐれでバットに当たってボテボテのゴロ打って、そのまぐれにコーチから
「Very Good!!」
と言われて成長するでしょうか?
私は大学まで野球をやっていました。
バッティングにはまぁまぁ自信ががあります。しかし、
プロ野球とかメジャーリーグの150キロレベルのツーシームピッチャーは打てません。
経験もないので、バットに当てるのが精いっぱいでしょう。
打つためには(レベルを上げるには)
自主練
↓
マネ
↓
チェック
↓
指導
↓
実践
の流れが大切です。これについては
こちらをご覧ください。
そんな中TOEICは良くも悪くも影響を与える
良い方面
文法教育優先し「過ぎ」だった日本の英語教育業界に、リスニング・スピーキングの重要性をスコア化できるテスト方式は有効でした。
悪い方面
しかし、基礎ができないにも関わらず、薄っぺらな「コミュニケーション」英語信望者を多く作り出してしまったのも事実です。
たとえば
- 発音は気にしなくてよい
- 間違いを恐れずとりあえず話そう
こんな感じです。
気にし過ぎて一歩も踏み出せない人にとっては、良いアプローチかもしれません。
しかし、
- 発音は(リスニングを含め)勉強しなくてよいのか!
- 話した後ミスを振り返らなくて良いのか!
と、間違ったニュアンスを伝えてしまうと本末転倒です。
TOEICが求める理想と現場が乖離することも
確かにリスニング・スピーキング力は大切です。しかし、ビジネスの場で最も重要なのが、
メール(ライティング)
です。物事の意思決定や取引先への回答は、(特に海外とのやりとりでは)基本メールです。
ペラペラとスピーキングすることも時には必要なこともあります。
しかし、信頼関係を得られるのは、ミスのない、スムーズなメールのやり取りです。
信頼があれば、所属先が変わってもビジネスパートナーとは関係が続きます。
煽られる日本人英語学習者
そんな状況で
- 国際化
- グローバル化
と言われます。しかし世界は反グローバル化の時代です。
- アメリカのトランプ大統領
- 欧州の極右政党台頭
- 移民排斥運動
- brexit
これらはグローバル化のなれの果てと言っても過言ではないでしょう。
グローバル化がすべて悪ではもちろんありません。
ただ、世界情勢を知らないで一部のメディアの情報のみを取り入れて英語学習をするべきではないのです。
英語学習をすることは、
- メディアリテラシー
- 異文化理解能力
以上にもつながります。従って英語力がついた後にも役立ちます。
ちなみに留学してクラスメイトや友人といきなり
- 政治
- 宗教
日本人が議論を避けたがることが普通に話題になります。準備しましょう。
そもそも英語はいらない日本
とはいっても日本には日本語があり、英語はなくても生きていけます。
英語圏の国には、移民が多くいます。
この人たちにとって、英語がなくては生きてはいけません。
発音など気にせず(そんな余裕はなく)、お金を稼がなければいけません。
その一方、日本は「英語を使わないと生きていけない」わけではありません。
従って英語は「教養」の枠組みです。
そんな日本で英語を学ぶこと自体に疑問を感じる人もいます。
大学の英語授業を英語オンリーでやってた時
「英語やる意味あるのか」
と学生に罵られたもあります。
おそらく一部を除いてあと10~20年は日本では英語は必要ないでしょう。
ただし、日本にも政府の方針で以下の変化が出てきています。
- 移民の増加
- 外国人労働者の増加
従って20年後以降、英語が必要かどうかまではわかりません。しかし、
- 日本に学びに来ている留学生
- 日本で就職した外国人
以上の人たちより英語が使えないと、
- 競争に勝てない
- 就職・転職できない
- 昇進できない
- 収入が減る
以上の減少は少しずつですが出てくるでしょう。
英語の土台作り、TOEICの知識は無駄ではありません。
煽られる大学
大学英語クラス分けに使われるTOEIC
大学入学時にクラス分けでTOEIC団体受験をする大学があります。
英語力をスコア化できるので、とても便利です。団体受験を利用し
- 高得点を取る
- 年々得点をあげて成長する
など、頑張る学生が複数出てきます。
しかしながら、現実は以下のようになります。
TOEICに使「われる」大学英語クラス分け
入学時に2時間のテストをやっても、大部分は良くて300-400点です。
さらに新入生は2時間「やらされる」ので、
- 普通に遅刻する複数
- 途中で寝る
- 途中でトイレ行く
- むしろ来ない・・・
など、緊張感ある公開TOEICではありえないような事態が発生します。
大学が受験料を負担しているので、以上のような学生の場合、無駄になってしまいます。
ではどうすればTOEICを「利用」できるか
正しい目標設定
いつまでに600点以上を取るかを明確にしてください。たとえば
- 大学生であれば3年秋・冬の就活が始まるまでに600
- 今の会社辞めるまでに700
- 昇進の調査が始まる~月までに800
- 留学帰国後に900
などです。
団体受験の可能性を探る
大学や会社に所属する人であれば TOEIC Institutional Program (IP) が利用できます。値段は
- 団体受験料:4,230円(税込)
- 通常:6,490円(税込)
2260円の節約になりますので、プログラム運営者も含め検討の価値があります。
※詳しくはTOEIC担当者に聞いてみて下さい。
中身は公開TOEICの過去問ですが、履歴書にも書けます。
TOEIC担当者と打ち合わせした時
と証言ももらいました。
TOEICクラス分けはやめる
団体受験であっても、コストかけ過ぎです。代替案は後述します。
クラス分けの代替案
クラス分けTOEICには2時間でなく1時間のTOEIC BRIDGEが良いでしょう。
これであれば
- 2,970円(税込)×受験者数
ですので、
- 団体受験料:4,230円(税込)
- 通常:6,490円(税込)
さらに安くできます。さらにコストを抑える場合は
このようなテストもあります。
ポイントは「なるべく安く受けて結果を出す(出させる)こと」です。
まとめ
今までのTOEIC受験とその意味をまとめると
- 英語力アップの良いきっかけ
- モチベーション維持には最適
- TOEICに利用「される」のでなく正しく利用「する」
- 煽られてポイントアップ「のみ」が目標になったら英語学習業界のカモ
- 英語学習にお金をかけ過ぎてはいけない
- 団体受験やBRIDGEの導入を検討する
以上です。
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