映画『テルマ&ルイーズ』が描くアメリカ女性の自己

テルマ&ルイーズ』(Thelma and Louise、1991年、アメリカ)

 

『エイリアン』『ブレードランナー』『グラディエーター』など制作したリドリースコット監督の女性二人組のロードムービー。

今までノートなどに手書きしていましたが、こちらで記録していこうかと。

気づいた点をメモしながら考察です:

あらすじ

結婚して夫に縛られた生活を送るテルマ。

レストランのウェイトレスとして働くルイーズ。

この二人が非日常を楽しむために出かけた女二人の旅。

 

考察

罪を犯し、悩みながらも、

女性としての自己を再発見し、

引っ込み思案だったテルマは、旅路で学んだ主体性を示し

 

女性の権利が尊重されるようになり始めた現代社会の中

とはいっても男性中心的なアメリカ社会もあり

その中で女性としての価値や存在を再認させつつ

 

最後の場面が示す、それまでの男性の象徴であった車とともに駆け抜ける様子は

自分が犠牲になったとしても、これを見た女性が女性としての自己を解放できるような描写ともいえるのかもしれない。

 

とはいえ、必ずしも「女性が男性に勝った」とも単純な結論はだせない。

最後の場面が描くのは、解放の解釈もできる。ただ、

選択肢を失った苦肉の決断ともいえる。

 

旅に出た直後は女性的な服装。

時を経るごとに、髪や化粧は乱れ、

ジーンズ、シャツ

カウボーイハット、警察のサングラス

と男性化していく。

 

銃、車、たばこ、酒、ロックンロール、犯罪、札束、恐喝

これら男性的と思われるキーワードを全て女性が表すところが興味深い。

 

想起した他の映画

俺たちに明日はない』(原題:Bonnie and Clyde、1967年、アメリカ)

パーフェクト ワールド』(A Perfect World、1993年、アメリカ

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