映画研究

山火事と畏怖:『オンリー・ザ・ブレイブ』が描くアメリカ森林消防隊

アメリカ森林消防隊の実話。 過酷な環境で訓練した強固なチームワークも巨大山火事の前では無意味。 自然の前では人間は無力。 精鋭部隊でも無力。 巨大山火事を防火テント1枚でしのごうとする気持ちはどうだろうか。 「...
映画研究

『サンダーハート』の描くアメリカ先住民スピリットの周縁性

先住民権運動(ARM)派×合衆国政府派×FBI@アメリカ先住民居住地の構図。 「先住民同士のゴタゴタ・殺人事件を解決するFBI!ヒーロー!」 かと思いきや、そう単純でなく、後半はサスペンス的で面白い。 マイケル・ア...
映画研究

『ソルジャー・ブルー』におけるアメリカの隠したい「開拓」

70年代西部劇。 「白人=善」どころか「白人=残虐」が強調された重要作。 前半のほんわかゆったりした男女の逃避行的ロマンス化と思いきや、後半の絶望。 これを描き切るのは確かに意味があるのでは。 ラルフ...
スポーツ

『コッホ先生と僕らの革命』:英独文化摩擦とフェアプレイ

イギリスのフットボール(サッカー)文化のドイツへの流入。 伝統と革新の摩擦や衝突。教育機会と階級。 いじめと和解。 thの発音ができないドイツ人。 勝利至上主義とフェアプレイなど。 フットボール需要の創出とマー...
スポーツ

『 勝利への旅立ち』が描くアメリカ50年代とスポコンバスケ

アメリカ田舎版、熱血スポコンバスケ青春映画。 保守的な郊外のアメリカ、 人種、 活気のない町の感じなど、 1980年代中盤に1950年代を描く という意味でも『コーチ・カーター』よりも実は深読みができそう。 ...
映画研究

『ゴジラ-1.0』があぶりだす武士道の呪縛と解放

山崎貴監督『ゴジラ-1.0』(ゴジラ マイナスワン、GODZILLA MINUS ONE、2023年) 見たいと思っていたのがやっと見れた。 これはもっと早く見るべきだった。 特攻隊で濫用された武士道思想の展開...
グローバリズム

痛みを伴う改革:『レクサスとオリーブの木』のグローバル思考

「国には無駄が多い!」 「民営化して効率化!」 「手厚い社会保障は続けられない!」 「支出カットしてスリム化!」 こういうこと言う政治家見覚えありませんか? この思考がどこから来たかの一つのヒントが...
映画研究

『バックドラフト2』が描くダークヒーローとしての火災調査官

アメリカ消防映画。 火災調査官で陰のある主人公。 サスペンス要素、ガンアクションあり。 評判よりも面白かった。 ゴンサーロ・ロペス=ガイェゴ監督『バックドラフト2/ファイア・チェイサー』(Backdraft ...
映画研究

『ファイヤー・ストーム』における消防士の家庭と宗教の介入

命がけの仕事にも精出して、家帰っても妻や家庭を完璧に。 そんな完璧は追及できない。 そんな人間性を描く消防ドラマに宗教が救いの手を。 人気牧師アレックス・ケンドリックが監督したのもうなづける、ゴリゴリの宗教映画です。 ...
映画研究

『炎のメモリアル』の描く消防士:アメリカ社会の英雄像とその現実

消防士は現代の英雄。 死を顧みず勇気をもって燃え盛る建物に入り、人を助け出す。 中世の騎士道にも通じる。 9.11でトラウマとなったアメリカ社会にとって必要不可欠な存在でもある。 これを描くのが、 ジェ...
映画研究

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の米国の中の英国

デヴィッド・イェーツ監督『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(Fantastic Beasts and Where to Find Them、2016年、イギリス、アメリカ) 『ハリー・ポッター』シリーズを原...
映画研究

『ゴッド・オブ・ウォー 導かれし勇者たち』感染症と信仰心の屈折

クリストファー・スミス監督『ゴッド・オブ・ウォー 導かれし勇者たち』(Black Death、2010年イギリス、ドイツ) 中世主義や新中世主義に関して作品を探していたところ発見した映画。 ショーン・ビーンやエデ...